終身雇用守るの難しい 経団連会長、トヨタ社長が発言
経団連の中西宏明会長が「終身雇用なんてもう守れないと思っている」と発言したことを端に発し、日本自動車工業会の豊田章男会長も「なかなか終身雇用を守っていくというのは難しい局面に入ってきたのではないかと」と発言しました。
みんな薄々気づいていたことですが、業界の影響力が大きい方が発言したことはインパクトがあると思います。
自動車業界は環境のためにハイブリット、電気自動車と移行し始めています。また自動運転技術の研究開発により、既存の自動車を製造している企業以外の業界への参入も考えられ、大手の豊田自動車も今後はうまく対応できるか、どうなっていくか分からなく状況です。このようなことは自動車業界だけでなく、将来の消費動向が予想しづらい世の中のとなっています。
技術の進歩は時として人の仕事を奪うこともありますがその分、社会を送るうえで便利さを享受できます。みなさん忘れたり、気づかないことが多いかもしれませんが、今までも新しい技術が世に出される度に失くった仕事、または創出された仕事がたくさんあります。
これからの日本は生産年齢人口が減少するので、テクノロジーを用いて労働力をカバーするにはちょうど良い機会かと思います。それらを活用しなければインフラを維持するのも困難になると考えられます。今便利なインフラ、電気や舗装された道路が当たり前にある幸せが失われるかもしれません。
また終身雇用とセットに考えられていた、年功序列型賃金の維持も難しいでしょう。終身雇用以上に分かりやすいと思いますが右肩上がりの経済、もしくは現状維持(それでも難しいかな)ができなければ年功序列型賃金を維持するのは難しいです。きちんと説明すれば小学生でも分かる理屈です。
みなさんの会社の業績は今後も右肩上がりになると自信を持って言えるでしょうか?もちろんそういった業績を見込める会社は終身雇用、年功序列型賃金でも大丈夫です。やはり安定した雇用と将来を見せることはノウハウの蓄積や安定した企業経営に必要となることもあります。事実、日本は30~40年ほどですがうまくいっている時期もありました。もし年によって売上が変わる、将来に渡って右肩上がりの業績を続けるのが難しい会社は人事評価を見直し、賃金に関する規定も変えましょう。
無理に年功序列型賃金を続けるとこうなります。
- おじさん世代の賃金を維持するために、若者世代のスタートのベース賃金が減らされる
- もしくは全社員がベース賃金を減らされる(毎年給料が上がってもうれしくない残念な賃金)
- もしくはおじさん世代の賃金を維持するため、社員を募集しない
- その業務負担は若者世代へ
- 売り手市場のため、条件のいい会社へ若者が転職する
- 人手不足により業績悪化、倒産